目がさめると同時に「げ、」と変な声がもれた。

自分を見下ろしていたのは、族長の老け込んだ顔だった。

「目がさめたかの、デュナン」

ふっさりと豊かにたくわえられた白ヒゲをなでながら、黒魔族の長、イシル=ヴァントは言った。

「ぞ・・・族長・・・っい゛っ」

「これ動くでない。どれだけ傷を負ったと思っとるんじゃ」

慌てて起き上がろうとしたデュナンの体に、刺すような痛みが走る。

イシルはやんわりとデュナンを宥めると椅子に座りなおした。

「安心せいの。ここはわしの家じゃ。外部のものの立ち入りは禁じておる、もちろん立ち聞きもな」

ヒゲと同じくふっさりとした眉毛の奥で、イシルは小さく笑った。

デュナンは半ば困惑したようにイシルを見上げ、おずおずと口を開いた。

「族長、あの・・・俺・・・」

「レイと共に魔族と戦ったでの」

デュナンの声を遮るようにして、イシルはゆっくりと視線を動かした。

「何や突然、邪気が外に溢れおったな。まさかとは思うたが・・・案の定、レイがおらなんだ」

「・・・精霊の樹のところへ。結界から出ていました」

「そこへ魔族がつけこんできたんじゃのぉ」

のんびりとした口調はデュナンを落ち着かせるためだろう。

起き上がりたかったものの、何せ背も胸も斬られている。力を入れるのも無理だった。

イシルは続けた。

「じゃがまさか・・・主ら二人で魔族に打ち勝つとは思いもよらんかった。いくらトップとは言えどもまだ11。その年齢で魔族とやりえるとは・・・」

そこでデュナンは思い出したように息を飲んだ。

魔族と戦ったとき。自分たちはもう戦えない状態まで追いつめられていた。

だが魔族は消滅した。

あの時、レイの放った禁術によって。

「レイはまだ眠っておるよ」

デュナンの胸中を察したか、イシルがささやいた。

「別の部屋に寝かしておる。・・・お主もひどかったがあれのがもっとひどいでの。なんせ数本も骨折してしまいおって・・・」

そこでイシルは一旦言葉をきった。

デュナンが視線だけをイシルに向ける。まだ何かあるんですか、と問い掛けるように。

イシルは眉の奥で目を伏せ、指を組んだ。

「あやつの力は、恐ろしい」

「・・・!」

その一言で、一瞬にしてデュナンの頭に血がのぼった。

「・・長まで・・・・族長までそんなこと言うんですか!!アイツあんなに苦しんでんのに!!!族長だけがあいつをっ・・・」

「早とちりするでないよ、デュナン。わしが恐ろしいと思うておるのはあの子自身じゃのうての。

 ・・・あの子に与えられた力が、あの子自身を飲み込もうとしておることじゃよ」

突然叫んだせいでまた痛みに襲われたデュナンを軽く叩きながら、イシルは呟いた。

彼は知っていたのだ。

レイが喪われたはずの大魔術―――古代闇魔術を使うことができたことを。

そしてそれによりレイの身体が蝕まれたことも。

「・・・何故あの子が古の闇術を使えたのかはわしにもわからん。じゃがあれを使ったことによって、レイの生命力は著しく低下してしもうた。

 今体内に残されておるマナも残り僅か・・・あぁ、そう青くなるでない。先にわしのマナを少しばかり上乗せしてやった。

 今は眠っておるがすぐに目を覚ますでの」

デュナンの頭を撫でてやりながら言った。

普段なら子ども扱いされたとむくれるデュナンだが、この時ばかりはそんな気分にならなかった。

イシルはしばらく黙っていたが、立ち上がると窓から外を覗いた。

「今回の件ではっきりしたの。―――レイは魔界に寝返ったりなどせぬと。与えられた力を、我らではなく魔族に向けて放った。

 ・・・闇を憎むものが闇に染まるはずが無かろう」

「じゃあ・・・っ」

だが期待を込められたデュナンの声は静かに遮られた。

「レイに真実を言うのはやはり憚られるじゃろう。他の皆があの子を恐れることは変わらん。

 何せ古代闇術を使ってしもうたんじゃ。今の状態の彼らに恐れるなというほうが無理じゃろうな」

「でもそれはっ」

「・・・わしとてあの子に嘘を言っていること、辛く思っておらぬわけが無い。

 じゃがの、集団で生きねばならぬ黒魔族は集団を優先させねばならん。いくらわしが長であろうと、そのことには逆らえぬ・・・」

そう言いながらイシルは瞳を伏せた。

彼も、本当はレイに真実を話してやるべきだと考えていたのだ。

だが一族が一体となって否定することを長の権力を使って押し切ることは出来ない。

たとえそれが間違ったことだとしても。

その制度により黒魔族は生き残ってきたのだ。

そのことはデュナンも重々理解していたし、彼自身、破ることは出来なかった。

わかっているだけに、悔しさはデュナンの胸を深くえぐる。

黙り込んだデュナンの頭を、またイシルの枯れた手が優しく撫でた。

「・・・ロウも良い息子を持てたものじゃのぅ。今のお主を、ロウも誇りにおもっとるはずじゃて。」

「・・・そう、思ってもらえるほど・・・俺は強くなれない」

「十分じゃ。十〜分じゃよ、デュナン」

言い聞かせるように、イシルは言った。

「不安ならば直接レイに聞いてみることじゃ。自らを卑下するでないよ。おぬし自身が可哀想じゃ」

この老人の笑顔にはいつも、人を安心させる力がある。

それを見上げるデュナンの脳裏に、ふと亡き父の面影が浮かび上がった。


『人を信じなさい。そして自分を信じなさい。自分を大切に出来る人間は、人をも幸せに出来る。』


(・・・親父も・・・族長にこんなこと言われたことあったんかね)

ロウと族長の言っていることが似通っていて、そんな風に思って少し笑った。

「さぁ、もう少しお休み。眠れば痛みも忘れられる。しばらくはここで休養をとりなさい」

「・・・はい」

「レイのことは心配いらんでの。それより今は自分のことじゃ。何かあったら呼びなさい」

デュナンの長い前髪を払ってやってからイシルは立ち上がり、退室しようとしたところで思い出したように振り返った。

「よぅく注意しておくがのぅ、デュナン。こっそり立ち動くでないぞ。主のことじゃから、目を離したらやりそうじゃ」

悪戯っぽく笑ったイシルに、デュナンはぎくりと肩をこわばらせた。

実は思いっ切りそのつもりだった。

イシルがいなくなったらこっそりレイの見舞いに行くつもりだったのに・・・。

「ほっほ、図星じゃのぅ」

「ちぇっ。わかりましたよー・・・てか族長、どうせレイのトコにいるんでしょ。・・・ならいいや」

「それでいい、それで」

イシルはおかしそうに笑うと、そのままドアの向こうに消えていった。






 

 

 

 

 

 深い闇が、襲ってくる。

 

 

あぁ、また同じ夢。

そう、これは夢だ。夢のはずだ。

このあと額に痛みが走って、そこで目が覚める。

何度も繰り返し見てきた、夢・・・悪夢。

どうしてこんな夢を見るんだろう、と、前は不思議でならなかった。

だけど今ならわかる。

これは夢じゃない。

 

 

これは――――――――

 

 

 

白い天井を見上げたまま、彼はぼんやりと今までの思考回路を振り返っていた。

何のことを考えていたんだっけ。

目覚めたばかりの脳は、水をしみこませた綿のように重く、働かない。

ひどく長い間、眠っていた気がする。

ふと誰かの息づかいが聞こえた気がして、首を倒してみると見覚えのある姿があった。

真横につけられた簡素な椅子に腰掛け、同じく簡素な机に突っ伏して寝息を立てている少年。

肩を流れる銀髪が、やわらかい陽射しを受けてあわく輝いていた。

声をかけようとして止め、かわりに深く溜息をついて額を押さえる。

腕を上げたとき、少し胸が痛んだ。

「目がさめたかのぅ、レイ」

その時突然老人の声が響き、あまりの唐突さにレイは飛び上がりそうになった。

それと同時に、隣りで突っ伏していた親友が、寝ぼけまなこのまま顔をあげた。

「・・・ぁ」

二人が同時に声を漏らす。

その後に口を開くのは、デュナンのほうが早かった。

「ああああああレイてめェこの馬鹿野郎っ!!いつまで寝てるつもりだったんだ!!!!散っ々心配させやがってこの・・・!!!!」

「・・・そう怒鳴らなくとも聞こえてる」

勢いに乗せて一気に怒鳴りまくるデュナンに、レイは律儀に言い返す。

だがデュナンは今にも泣き出しそうな笑みを浮かべているし、レイもまた、やわらかい表情で親友を見上げていた。

レイはデュナンから視線を外すと、その後ろを覗いた。

はたして、そこには先ほどの声の主―――族長イシル=ヴァントが佇んでいた。

「痛みはどうかのぅ。外傷はほぼ治癒しておるが、まだ動くでないよ。・・・まぁ動けんとは思うが」

イシルの言葉どおりだった。

起き上がろうとしてまったく体に力が入らず、かわりに胸の奥に切るような痛みが走った。

ろっ骨が3本、折れていた。

よく肺に刺さらなかったものだと密かに苦笑しつつ、頬を一筋の汗が伝っていくのを感じた。

呼吸は、上手く出来ない。浅く薄く、少し息苦しい。

それに酷く頭がぼうっとしている。目を閉じたら、このまま再び眠りに落ちてしまいそうだ。

「5日間、眠っておったよ」

頭上から届いた声に、伏せていた瞳をあげた。

「覚えておるかの。主らが先日、何処で何と剣を交えたか」

「・・・・・・」

ふと、レイはイシルの視線から逃れるように目をそらした。

その様子にどこか怯えのようなものを感じ取り、デュナンはレイの手を握った。

それからは、かすかな震えが伝わってきた。

「――――魔族が・・・現れました。村の外に・・・俺を狙って」

「知っておるよ、レイ。・・・・・よく無事じゃった。」

一瞬、レイは息を飲んだ。

「魔族と対峙して・・・よく無事でいてくれた。いや、無事と言うにはちと怪我がひどいかの?とにかく、悪いことが起きんでよかった」

悪いこと、と言うのが何かは、イシルもデュナンも、レイも口にしなかった。

口にせずともわかっていた。

イシルはふっさりとした白髭をなでていたが、突然声のトーンを落とし、ささやく様に口を開いた。

「お主、どうやって魔族を滅ぼしたか覚えておるか」

「えっ?」

唐突なその質問に、レイは幾分上ずった声で聞き返した。

そしてデュナンを見上げ、彼も自分を見つめていることに気付き再びイシルを見上げた。

「・・・それ、俺に言ってるんですか」

「そうじゃ」

「魔族を滅ぼしたって・・・俺が?」

「はぁ!?」

「なんじゃ、覚えておらんのか?」

思いがけぬレイの反応に、今度はイシルがやや上ずった、素っ頓狂な声を出した。その隣りでデュナンも、引っくり返った声をあげた。

「お前っだって・・・・・覚えてないのか?レイ、お前・・・古代闇魔術・・・使ったんだぜ」

「・・・・は。」

ぽかんと口を半分開いたまま、レイは親友の顔を見つめた。

「古代・・・って、禁術じゃないか。俺が使えるわけ、な・・い・・・・・」

突然、レイの言葉が消え入るように小さくなっていった。

その目は一点に吸い寄せられている。

デュナンとイシルがその先を追うと、そこには一振りの剣が立てかけられていた。

細く長い、繊細な造りのレイピア。

――――闇の剣・・・ダークネス=ソード。

それを見つけた途端、レイは自分の体から血の気が引いていくのを感じた。

「どうして・・・・あれが、ここに・・・?」

持ち出したのか、とデュナンに瞳を向ける。デュナンは慌ててはげしく頭を振った。

「お前自分で出したじゃねぇか!」

「出した?」

「だから、こう・・・手ぇ掲げて、そしたらもう握ってた」

身振り手振りを加えて説明する。

剣を持ってこようとしたらレイが嫌がったのでやめておいた。

「・・・マジ覚えてねぇの?」

どこか心配そうな色を声音に滲ませながらレイを覗き込むが、彼はこわばった表情のままかたく口を引き結び、無言で佇むイシルを見上げた。

イシルはじっとレイを見つめていた。

「・・・あれの封印は解けておらん。剣の意志でおぬしの手元に現れることは不可能じゃ」

「でも、俺はっ」

「デュナン。その時レイに何か異変は無かったかの」

「へ?」

いきなり話をふられたデュナンは慌てて首をかしげた。

「異変って・・・・・あ」

「何じゃ」

「いや、なんか・・・レイ、お前ホントに覚えてねぇんだな」

「本当に俺がやったのか」

レイはやはり困惑を繰り返す。デュナンは首をかしげかしげ、頭の中であの時の状況を思い描いた。

「・・・なんつーか・・・なんか乗り移ったみたいな感じだった。目がどこかうつろで・・・表情が無かった気がする。

 あと魔族が、ホラ魔族の声って頭ン中に直接響くじゃん?それで叫ばれたのに、お前全然聞こえてないみたいに・・・

 俺冗談抜きで頭割れるかと思ったのに」

「・・・ふむ。その後は?」

「魔族倒してすぐ、レイも倒れた。そりゃあんだけ怪我してりゃ倒れんほうがおかしいけどさ。でも変だなって思ったんだけど、

 マナが制御できてなかった。」

「うそだろ」

ギョッとしたようにレイが聞き返す。

「だからヤベェと思ったんさ!ほってたら死んじまうと思ってもう俺超必死。やっと制御できたと思ったらなんか眠っちまったし」

「反動じゃな」

脱力したデュナンに続いたのは、静かなイシルの声。レイが不安げな面持ちでイシルを見上げた。

「まだ眠たいじゃろう?体内のマナが枯渇しそうになったからじゃ。精神が衰弱しておるんじゃろう」

「・・・マナが制御できてなかったせいか」

「そういうことじゃ。・・・さて、デュナン。ここで問題じゃが、古代闇魔術は何故封印されたと?」

「へ?術士が魔界に近付きすぎるってのと、あと術士が危険な状態に・・・って、ぁ。」

「・・・それがこのことか」

頭を叩きながら、レイが眉をしかめた。

「古代闇は絶対的な力を発揮するが、その代償は大きい。術士本人の命まで蝕むからじゃ。よほどの得手でない限りは、

 その力に飲まれてしまう。そんな力をお主が制御できるはずなかろう。術が発動した時点でお主の意識は一旦闇に飲まれた。

 だから自分自身の力すら制御できなかったんじゃ」

「・・・よく、そのまま飲まれずに済んだな」

「起きんかったらぶっ飛ばしてでもたたき起こしてたぜ」

「まぁそれは不幸中の幸いというヤツじゃ」

苦笑を浮かべつつ言った。

「元々、レイ・・・お主の持つ力は絶大じゃった。お主自身が制御できぬほど・・・だからこそ魔界が目をつけた。」

「昔はどうだったか知らないけど。・・・少なくとも闇魔になってからは身体がついていかない」

眉をしかめてため息をつきながらレイが返す。自分で自分を制御できないなんて、魔術師として不便極まりない。

「なぁ、レイ」

ふと、デュナンが身を乗り出しレイの顔を覗き込んだ。

「やっぱ魔力って、自分で制御できたがいーよなぁ」

「は?あたりまえだろ」

いまさら何を、とレイは呆れたようにデュナンを見上げた。

一方のデュナンは意味深に笑った。

「・・・ヘンなヤツ」

「で族長、結局剣が出てきたのって何でなんすか」

いきなり軌道修正するデュナンにイシルは笑った。

「正確なことはわからんからあくまで予想じゃがの。おそらく、何かがきっかけにレイの意識は一旦途絶えた。が、別の意識が働いた。

 恐らく、闇魔としての意識が目覚めたんじゃろう」

「・・・冗談だろ」

イシルの言葉が終わるのを待たず、レイはぽつりと呟いた。信じられないという表情で頭を抱え、真っ青になっていた。

「だって、剣の封印は・・・解けてないって、さっき」

「剣の封印は解けておらん。じゃが、お主の中にもう一人の意識があることは確かじゃ。・・・認めたくは無いじゃろうがな」

「・・・・・」

「今までずっと制御しておったんじゃ。無意識のうちに、お主自身がの。じゃが今回はそうはいかんかった。

 おそらく、間近に魔族の波動を受けたせいじゃろう。闇は闇に反応し目覚めようとする。その結果――――

 レイ自身の意識は眠り、闇魔の意識が出てしまった。」

「・・・・・」

「・・・レイ・・・信じられんじゃろうが・・・」

「でもさ」

重苦しい空気の中、突然デュナンが明るい声を出した。

「それのおかげで俺助かったんだぜ?正直さ、俺もう戦える状態じゃなかった。絶体絶命だと思ってたのに・・・

 でもお前のおかげで二人ともやられなかった。闇だ闇だっつってもさ、俺たち二人ともそれに命助けられたんだぜ?

 今後お前がそれを制御することさえ出来れば、それはおまえ自身の力になると思うんだ!」

「そんな・・・制御できればなんか。無理に決まってる、自分で自覚してない力なんて」

「できるさ!俺が協力してやる」

「は?」

「なんと?」

突拍子も無いデュナンの言葉に、レイとイシルは同時に聞き返した。デュナンはさっきと同じ、意味深な笑みを浮かべた。

それを見、イシルは気が付いたのだろう。目を細め、ニヤリとデュナンに笑いかけた。

一方のレイは相変わらずわけがわからないという表情を浮かべ、まじまじとデュナンを見つめている。

「協力するって言ったって、しようが無いじゃないか?俺自身の問題なのに」

「できるかもしんねぇよ?俺には俺にしか出来ねぇことがある」

「?」

いまいち納得できないレイだが、イシルもにこにこと笑っているのでそれ以上突っ込むのをやめた。

そっと左の胸を押さえてみる。手のひらに感じる鼓動は、一つ。

自分の中にもう一人誰かが居るだって?信じられない。心臓は一つしかないのに。

しかも“闇”そのものから生まれた人格。それが、もう一人の自分。闇を憎む自分の、もう一つの顔。

簡単に受け入れられることではなかった。

・・・だがそれが本当だとして、自分の力で制御できるのであれば。

レイはデュナンを見上げた。デュナンは笑って頷いた。

イシルも安心したように眉毛の奥で目を細めると、レイの黒髪をぐしゃぐしゃと撫でてやった。

「さて、それではわしは部屋に戻るとするかの。念の為じゃが結界の様子も見に行かねばならん。デュナン、レイを任せて大丈夫かのぅ?」

「もちろんっすよ。勝手にうろつかないようちゃんと見張ってますっ」

「・・・お前と一緒にするな」

レイがげんなりと独白をもらす。イシルは笑いながらもう一度頭を撫でると、部屋を出て行った。

 

 

 

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